2011年4月14日木曜日

君のようなエピソード

君よりもずっとずっと小さなエピソードの中で

倒れ込むように優しさの

シッポに捕まっていた僕

ボールペンの先の

丸くて固い世界の裏側で

真実なんていうちっぽけな偽りを

拾い集めていたのも僕

でも始まりもないまま

宇宙は小さな運命にまたがって

さあ、今度は誰がホイッスルを鳴らすのかを

ここでじっと見ていられるかな

そう君と、君と君と



コーヒーかも知れないし真夜中かも知れない

そんな得体の知れないダークを

僕の腕の一番太いところで押しつぶす

えへへ、取りあえず、取りあえずだよ

確信犯はこの街のずーっとはずれで

一輪車をずいぶん上手に乗り回しては

話題らしき話の側面を鏡のように

ぴかぴかに磨いてしまったらしい

僕はここへ来て立ち上る噴煙の前で

さっきの爆発はこれだったのですね

とわざとその男に尋ねた

こんなにぼろぼろになってしまったのに

六角形で縁取られた憂鬱が

きらきらと鳴り響いている

あれは多分ノクターンだ



近未来的な話から

ピテカントロプスに及ぶ一直線上に

一等星をいくつも並べて

惑星間の遠達性を実験した

それを推進力として

僕らの物語はまだ続いている

0 件のコメント:

コメントを投稿